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ゆる鉄画廊開催にあたって(長文です)

 僕は広告やテレビ出演、雑誌での執筆など、写真家として活動していますが、写真を生業にしてからずっと温めている夢があります。それは自分の撮った写真を額装したものを、たくさんの人の部屋に飾ってもらうこと。もっと言えば、画家がそうであるように、自分の写真を販売して生計を立てられるようになること。それを目指してwebなどで写真の販売をしてきましたが、なかなか思うように買ってもらえません。その理由を考えていて、ふと気づきました。自分が販売していた額装は、金額もスタイルも、自分の写真を立派に見せることしか考えていなかったことに。
 欧米に比べて狭い日本の住宅で、大きな写真を飾るスペースを確保するのはとても難しいことです。そして和洋折衷でいいとこ取りが上手な日本人の部屋は千差万別で、そこに似合う額もそれぞれ違うはずです。それも考えず、さぁこの額を飾って!なんて言われても、買おうなんて思わないですよね。
 金額もそうです。日常の営みのなかで、飾るための写真に使える予算なんて、限られているはずです。自分の生活に置き換えてみてもそうなのに、「写真家の作品だからこの値段」と決めるのは、こちらの都合でしかなかったのです。
 もっとカジュアルに写真を飾ることを楽しんでもらいたい。そこで金額も、思い切って10000〜12000円に抑えることにしました。ちょっと無理すれば、お小遣いでだって買える値段にしてみました。
 ただ安かろう悪かろうでは、意味がありません。自分の作品を飾ってもらう以上、写真家としての拘りも重視しました。すべての写真には「裏打ち」をして、湿度の多い日本の家屋に飾っても波打たないように気をつけました。また複製ができる写真プリントに付加価値をつけるため、画材を塗ったり、額に工夫をしたりして、できるだけオリジナリティーをプラスするようにしてみました。もちろん高い額は使えませんが、ひとつひとつの額、写真に合う紙を選び、加工をして、サインを入れ、完成形としてお渡しします。
  残念ながら日本には写真額を買って飾る習慣があまり浸透していませんが、これをきっかけに写真を飾る文化が少しでも広まれば、そして写真を販売して写真家が暮らせるようなシステムが作れれば、と夢見ています。
  何もかもが試験的な試みですが、ぜひおこしいただき、あなたの感性に合う写真を探してください。そして、ぜひあなたの部屋に、僕の写真を飾ってください。
 
「ゆる鉄画廊」でお待ちしています。
鉄道写真家 中井精也

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